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洞戸その名の由来を探る

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2005-10-11 14:39
montas  管理人   投稿数: 1277
旧洞戸サイトを開設して間もなく、村内出身者のお友達で東京国分寺市にお住まいのmirinさんから、ほらどわいわい掲示板(旧フォーラム)にこんなメッセージが届きました。

いやいや。。。
正直言って最初は読めませんでした。。。
「ほらど」。。。*(///∇//)**

そーなんです。この怪しげな名前、『洞戸』を『ほらど』と読んでいただける方は極々少数なんです。

このメッセージに対して、さっそく村出身で現在神奈川にお住まいのrouyoshiさんから、次のような返信が届きます。

洞戸。洞(ホラ)とは行き止まりの穴。洞戸とはその入口の意味か。洞戸から板取川を遡ると板取村へ。さらに板取村から川浦谷や海の溝谷を遡行すると福井県境の平家岳にぶつかって行き止まり。板取川を基点とする地形に由来する名前と考えます。いい名前でしょ。
ホラー映画のホラーとは違いますよ、たぶん??。。。


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旧サイトでは、こんな具合で盛り上がるやり取りを抽出してページにして公開していました。
たいへん好評でしたので、内容はそのまま、このレスで復活を図ることにいたします。しばらくの間、自己レス(内容は投稿いただいた皆さんのもの)で失礼しますがよろしくお願いします。 
興味を持たれた方は、この話題にご参加ください。

>>最初は読めない?読めてもはばかる洞戸村、その名の本当の由来はナニー?
投票数:3 平均点:10.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2005-10-11 14:54
montas  管理人   投稿数: 1277
rouyoshiさん:板取川渓谷部への入口説

まず、2万5千分の1の地図を見ると、この地域には「?洞」という地名がいっぱいあります。集落の名前についていることもありますが、いわゆる『谷』『沢』の意味で使われているのが多いようです。 人家のない谷・沢に対して?洞、?谷が混在して使われているのです。
辞書で調べると『洞』とは鍾乳洞に代表されるように穴、うつろという意味が強く、付随して谷、渓谷という意味があるようです。私の印象では、谷や川の両岸が急な山の斜面で狭められて穴のように感じられる流域をさして『?洞』と命名されているように思えます。
また、『洞』は単に水の流れだけでなく、その流れの流域全体・地形全体をイメージさせます。そこにある水の流れの他に、済む動物、森の木々、炭焼きや山菜取り・薪集めの場を思い起こさせるのです(ロマンチスト?)。
そこで、『洞戸』とは?
板取川は、洞戸村の中心である「市場」から下流は、美濃市の立花付近で長良川に合流するまで比較的広く開けた流れであり、それより上流の「栗原」集落からは両岸に山の斜面が迫る渓谷の流れになっているのです。
すなわち、ここから上流が板取川の『洞』であり、その出入り口の『戸』という意味を持たせてこの地が『洞戸』と呼ばれる、という解釈です。
洞戸から北は板取村を通って平家岳など福井県県境の山地にはばまれいわゆる『洞(ほら)』の地形、東は和紙の里美濃市、刃物の町関市へ、南は鵜飼の岐阜市へ、西は薄墨桜・断層で有名な根尾へと続く。『洞戸』とは山間のまさにこの地形にぴったりの地名と思えます。
投票数:2 平均点:10.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2005-10-11 14:58
montas  管理人   投稿数: 1277
村史上巻より:谷の集合場所説

現在の洞戸村の中でも、下洞戸や奥洞戸など市場・通元寺地区(洞戸村中央部)以外の住民は、市場・通元寺地区を指して『洞戸』という。そうすると『洞戸』という地名は、もともと市場・通元寺の狭い地域を指す地名だったと考えられる。
市場・通元寺地区の位置する場所は、谷が集まる谷口集落的な場所であり、単純に考えると『洞戸』という地名もこの谷口集落的な地形に由来した地名と考えられる。『洞』は『谷』と同じ意味で、『戸』は『出入り口』を意味し、『洞戸』とは『谷の出入り口』という考え方である。谷戸、谷口、谷合も同じように谷口集落的な地形からついた地名である。しかし、これは最も単純な考え方でほかにもっと深い意味があったのかもしれない。
投票数:9 平均点:3.33
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 | 投稿日時 2005-10-11 15:00
montas  管理人   投稿数: 1277
とある洞戸村民:ホラふきが多い村だった説

昔、この地方にはホラふきが多く、それを楽しむ風潮があった為に、「こんなホラ、おもしろいやろ。ほらどお」と洞戸と名付けたに違いない。
これを裏付ける史実を挙げるなら、洞戸村には18世紀ごろから盛んに行われた、庚申購という伝統行事がある。
古来、人間の体内には三匹の虫が住んでおり、庚申の夜(干支の一つで2ヶ月に一度回って来る)人が眠っている間に体内を抜け出して、天の帝釈天にその人の罪過を告げると言い伝えがあった。そこで、告げ口されないように、この夜は掛け軸を掲げてお経をとなえ、メンバー全員で食事や世間話をして、徹夜で過ごすのである。
この夜にできた子は悪人になるとされ、江戸川柳にも「五右衛門が親庚申の夜を忘れ」などの句があり、洞戸村各地には庚申の碑や、代々引き継がれた庚申購を未だに行うグループが現存する。
よほどホラふきが多く、やましいことを繰り返していたのであろうか。
実はかく言う私も、庚申購を今に引き継ぐ一人なのである。
投票数:2 平均点:5.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2005-10-11 15:02
montas  管理人   投稿数: 1277
rouyoshiさん:洞戸村の『洞』の考察

私は、若い頃結構山歩きをしました。北アルプス、南アルプス、北関東の山、東北の山、丹沢山地など。しかし、思い返してみると、これらの山々で谷、沢に相当する呼び名として洞(ホラ)を使っているのはほとんど聞いたことがありませんでした。谷や沢を洞という呼び名をつけて命名するのはひょっとして洞戸村近辺あるいは美濃地方にかなり限られた習慣ではないかと疑いを持ちはじめました。
そういえば、東京都国分寺のみりんさんも「正直言って洞戸を(ほらど)と読めませんでした」とおっしゃっていました。『洞』は全国的にはポピュラーでないと思われるのです。
そこで、地形図閲覧システムで、漢字で『洞』の着く地名を検索し、県別の件数分布を調べてみました。
な、な、なんと驚いた結果が出ました。総数878件のうち岐阜県が340件とほぼ全体の40%を占めているのです。同じ場所を重複して数えている可能性も高いので件数そのものはもっと正確な吟味が必要ですが、岐阜県のこの割合の高さには驚かされました。
これは何か理由があるに違いないと考えています。
ちなみに、漢字で『洞』の着く地名のベスト6は、重複しているのもかまわず数えると以下のようです。岐阜県(340件)、岩手県(81件)、愛知県(56件)、長野県(51件)、北海道(42件)、静岡県(18件)。ベスト6に中部地方が4県も入っていること、岐阜県がダントツに多いことも『洞』が集中していることを物語っています。
ここからは私の独断ですが、中部地方の『洞』の着く地名は沢、谷を連想される地名となっているのに対して、岩手県、北海道など外の地域では穴(鍾乳洞など)から由来して『洞』がついているように感じます。
『洞』の地域集中、意味の違い(沢・谷か穴か)など何か特殊な理由があるに違いないと考えます。
岐阜県の中でもある特定の地域に集中しているかもしれないなどなど、興味が尽きません。
投票数:2 平均点:10.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2005-10-11 15:05
montas  管理人   投稿数: 1277
rouyoshiさん:洞戸村の『洞』の考察(第二段)

『洞』の文字がつく地名はいったいどんな場所なのかに着目しますと、およそ次の4種類、すなわち(1)海岸などの岩穴や鍾乳洞に起因するもの、または洞窟そのもの、(2)民家のない深山幽谷の谷・沢または川、(3)山から小さな谷が流れ落ち、そこにできた特に山側に窪んでみえる扇状地またはそこにできた集落、(4)谷・沢または小さな川が狭い平地を伴って山間を縫って流れる比較的細長い地域またはそこにできた集落、に分類されます。
また(1)は『洞』を「どう(とう)」と読み、(2?4)は「ほら(ぼら)」と読む傾向があります。日本全国を見ますと、これら4種類が散らばっているわけですが、どちらかというと(1)が多いように見えます。
ところが、岐阜県では、(3)(4)がものすごく多く、これが『洞』地名数が他県に比べ圧倒的に多い原因になっています。『洞』地名数上位県の長野、愛知も同じ傾向にあります。
地図を調べる前は、岐阜県では(2)すなわち純粋に谷・沢としての名前がたくさんあるのではないかと考えていましたが、これは意外に少ないのです。ただし、人家のない純粋な谷・沢で地元では『?洞』と呼ばれていても、地名として国土地理院の地図に載っていないだけかもしれません。それは結構たくさんあるような気がします。洞戸村でも集落の奥にある谷を奥ぼら、東ぼら、西ぼらなどと呼んでいた記憶があります。あくまで国土地理院2万5千分の一の地図上に記載されているものについての話です。
中部地方の愛知、岐阜、三重、静岡、長野、富山、石川、福井さらに滋賀県全域に渡る『洞』地名の分布を調べるととても面白いです。『洞』地名は濃尾平野の端すなわち岐阜県の伊自良・高富から美濃・関、多治見・恵那方面、そして愛知県の矢作川上流三河高原へと続く北から東のベルト地帯に濃密に集中しているのです。
さらにこのベルト地帯から、長良川に沿って蛭ヶ野高原へ、飛騨川を遡って下呂、そして高山盆地へ、木曽川を遡って木曽福島方面へと拡散分布しているのです。加えて興味あるのは岐阜県でも西濃の根尾川以西と滋賀県(「洞戸」がありますが)、三重県、さらに日本海側の各県では極端に少なくなっていることです。
金華山の岐阜城天守閣から見渡すと、北から東方面は足元から遥か彼方まで『洞』だらけ。しかし、西から南方面は『洞』がほとんど見当たらないのです。南は平野だから理解できても西はなぜだろう。やはり洞戸村の『洞』には何か意味がある?
投票数:5 平均点:8.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2005-10-11 15:11
montas  管理人   投稿数: 1277
rouyoshiさん:洞戸村の『洞』の考察(第三段)

全国的に見て『洞』のつく地名(集落・地区名、谷・沢の名)が中農から東農、すなわち濃尾平野の北から東の端に集中していることを話しましたが、もう一箇所集中している地域があります。それは岩手県の北上山地南端の一帯、すなわち盛岡、遠野、釜石、一関、江刺で囲まれる地域です。
最初、岩手県に『洞』がつく地名がたくさんあるのは鍾乳洞に起因する「洞(どう)」のためだろうと推定していましたが、これは間違いでした。確かに岩手県には鍾乳洞が多いのでこれに関係するものが相対的には多いのですが、やはり美濃地方と同じく「洞(ほら)」が圧倒的に多いのです。
大洞(おおほら)、長洞(ながほら)、栃洞(とちほら)など美濃地方と同じような集落名が並んでいます。珍しくは雪洞(ぼんぼり)で、さすが北国。『洞』の文字がつく集落・地区名が56件、谷や沢が5件と美濃地方に比べれば、数的には5分の一ほどで分布密度も小さいですが、はっきりした地域集中を示しています。日本にはこの2箇所以外に『洞』つき地名が集中しているところは見られません。
この二つの地域にはどんな共通点があるのでしょうか。
平野から山地への変わり目という意味で、地形的共通点がありますが、単にそれだけなら日本全国には似た地域はもっとたくさんあります。韓国では‘洞(とう)’を行政区域の最小単位として使うことがあった(ある?)そうですが、日本でも遠い昔、このあたりの為政者が同じように、行政区域・共同体の最小単位として『洞』の名前を使うことがあったのかもしれません。すなわち、この二つの地域は平安の世か戦国の世に、為政者にとって『洞』を使うべく統治上の何か似た関係があったのかも、などとますます想像をたくましくしています。
ところで、たとえば銚子洞(板取村)、オオレ洞(高賀山の北)など深山幽谷の谷・沢を、『?洞(ほら)』と語尾に洞(ほら)をつけて命名するのは美濃地方の山間部とせいぜいその周辺にしかないようです。一つだけ岩手県に「大馬ヶ洞」という谷の名がありますが、これは「おおばけどう」と読み、「ほら」とは読まないようです。辞書には、洞(ほら)とは谷・沢の意味もある、とありますが、実際に好んで谷・沢の命名の語尾に洞(ほら)を使うのは美濃地方とせいぜいその周辺だけのようです。集落・地区名の『洞』と谷・沢の『洞』は深い関係があると思うのですが、ニュアンスがどこか違う気もします。
全国の地図を見ていて分ってきたことは、洞戸の名の由来は、板取川全体の広大な渓谷からイメージするものではなく、もっとローカルな、人々の日常的生活空間から感じとれる地形によると思うようになりました。村史にある谷の集合場所説がもっとも有力でしょう。
投票数:11 平均点:1.82
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2005-10-11 15:16
montas  管理人   投稿数: 1277
と、ここまでが旧投稿です。
rouyoshiさん、奥深い貴重なご意見ありがとうございました。


そうなんですねぇ。洞を語らずして洞戸が洞戸である必然性はない。
いったい、なぜ、いつ、誰が、洞戸と名づけたのでしょう?
読者が思わずうなずく諸説の投稿をお待ちしています。
投票数:2 平均点:5.00

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